ヘビロテ躁鬱女
鉄平……やっと眼があったね。


酔っ払った私と数秒間、目を合わせた。


本当は短く、あっという間なのに熱を感じる瞳だった。


その瞳は私を逸らし、和歌子へと移った。


「俺には関係ないっすよ。狂子さんが付き合いたいなら仕方がないです。止めれる権利なんてないですから俺には。

新庄さんがっていうのは正直驚いたけど……はははっ」


頭を掻く鉄平。


目の前にいるのに、遠くにいるみたいだった。


「私達、用事があるから、またね! ごめんね。また今度一緒に飲もう! 

鉄平行くわよ!」
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