ヘビロテ躁鬱女
「意味が分からない! 放してよ!」


「それはもう無理なんだ……鉄平や新庄、そいつらだけじゃなく他の男にも渡さない。それは絶対なんだ――」


「痛い!!!!」


パンッ! パンッと両頬で音が鳴る。体だけじゃなく頬までもが痛み、熱くなった。


「痛い? だろ。それってさ……俺の心の痛み。分かる?

お前――今まで俺の気持ちを見てみぬ振りをしてきたよな」


「衣舞! 助けて! 衣舞!!!!」


知らない! 知らない! 知らない! こんな男の痛みなんか! 
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