ヘビロテ躁鬱女
「おはよう! 手毬さん。今日も頑張ろうね!」


「おはようございます! はい! 関田店長、頑張ります!」


店長からも真面目さは買われていた。他の人よりも2時間だけ早く出勤してくれと言われ、他の人よりも長く働き、稼いでいた。


それが喜びで、横溝輝への嫌な感情は正と負のように、釣り合いが保たれていた。


この頃は、なんのためにお金を得ているのか? なんの為に貯金をしているんだろう? そんなことも分からなかった。


先の将来なんて、全く見えなかった。


ただ嬉しかったのは、私を好きと言ってくれる人が増えたこと……


お客さんからも同僚からも、女の子達からも愛され、家族よりも、この店にいるのが楽しい。それだけだった。
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