ヘビロテ躁鬱女
 横溝は飲み干した缶ビールを、ぐしゃりと両手で潰した。


漆黒の深く暗い瞳が、また広がる。


「別れるだぁ?」


「痛っ!!!!」


潰された缶は投げつけられ、私の頭へと命中した。


通常の缶よりも潰された分、石のように硬かった。


痛みを辛抱すれば許してくれるんだろうか?


傷口を増やせば、別れてくれるんだろうか?


横溝はこちらに近づき、胸倉を掴んだ。喉が拳で圧迫される。
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