ヘビロテ躁鬱女
「……店長のこと、誰にも言ってないでしょうね?」


「言ってないけど」


背の低いが愛子が見上げ、眼を細めた。


「小雪さんには絶対言わないでよね! 店長と仲があまり良くないみたいだから」


――なるほど。


男なら愛子の色気は効き目あるかも知れないけれど、小雪さんには役に立たないってことか。


時給が私と同じだって知ったら、力量を見定めるかもしれない。


「私は言わないよ。でも感付かれるのも時間の問題じゃないの? もう不倫なんて止めたら?」


「いい? 貴方に言われる筋合いはないの。言ったらどうなるか分かってる? 私、知っているんだからね?」
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