ヘビロテ躁鬱女
 正直、そこら辺の内情は私が知りたいくらいだ。


鉄平は和歌子に、私達が付き合ってることを告げたんだろうか?


そう言えば……さっきの会話では突込みはなかった。もしかして知らないのかも――?


「どうなのよ? やっぱり知られたら都合が悪いでしょう?」


「そんな取引みたいな話は止めてよ! 愛子さん、少しおかしいわよ?」


「おかしいだぁ?」


愛子はメニューの角で、私の顎を楽しむように突き刺した。


「和歌子と鉄平って、付き合っているんだってね。悔しいの?

それとも奪い返そうとして、付き合っていることを内緒にしているの?」


「いい加減にして! どちらでもないわ? 仕事がやり辛いのが嫌なだけ!」


自分で言っていて本当なんだろうかと、もう一人の自分が愛子よりも責め立てた。


金魚のようにユラユラと、赤い嫉妬の炎が、決心を今にも燃やしそうだった。
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