ヘビロテ躁鬱女
 私は……私は簡単に好きな人を手放したの?


好きと言ってくれる人を愛そうとするのは、変なことなの?


「愛子さん、貴方一体……」


愛子の瞳は真っ直ぐで輝いていた。


心の中で存在が大きくなった鉄平を消そうとする私は、この女より本当に弱い……。


「森園さーん、彼の両親からお店に電話が掛かってきているわよ。大変よ!

彼が倒れたらしいの。あれだったら早退してもいいからね」


血相をかえた小雪さんが、少し離れた所から愛子を呼んだ。
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