ヘビロテ躁鬱女
「そうなんだ……彼女結構苦労してるんだね。あの強さは、そこから湧き出たものだったのね」


「小雪さん、分かるんですか?」


焼き鳥を摘み、小雪の方を見た。


「分かるわよー! 甘えた態度をいくら取っても、女には分かるわよ。

でも変ね? 彼女ここで働き始めたばかりなのに、お金は大丈夫なのかしら?」


その言葉で気づいてしまった。


結婚式を挙げる前。店長はもしかしたら愛子にお金を渡したんだろうか?


だとしたら、そのお金は手切れ金? ……それとも囲うため? 


人のことより、まずは自分のこと。それ以上は深く考えないことにした。
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