ヘビロテ躁鬱女
 各自の持ち場から手を止め、フロアーの中心へと視線が一点に集中する。


――確かに可愛い……小柄で清楚。アナウンサーに、いそうなタイプ。


「森園愛子です。宜しくです!」


ペコリと軽く会釈し見上げた微笑には、ペロリと舌が出ていた。隣では関田店長がニタニタと鼻の下を伸ばしている。


「衣舞、当たったじゃん。今のところ、100発100中じゃん!」


横に来た衣舞に、こっそりと耳打ちした。


「なんだか軽い感じ。想像とだいぶ違うなぁ。なんで私の頭に現れたのかな……不思議。

あのブリブリ感……一体何歳なんだろう?」


珍しく衣舞は困惑していた。
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