ヘビロテ躁鬱女
 二人でブルタブを開ける。


プシューと勢いよく、美味しそうな音が鳴っているのに、テレビに視線を向け、こちらを見なかった。


――乾杯の声もないのね。


「ツマミを作るね」


「ああ、サンキュ」


シングルベットの上に寝転がり、真正面のテレビを見ながらビールを飲む。


――私はいつだって貴方を見ていたのに、付き合っても全然見てくれないのね……。
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