ヘビロテ躁鬱女
「うん。鉄平……あのね、横顔もカッコイイね」


「え? なんだよ、急に」


照れ隠しのように、鉄平はビールを飲んだ。喉仏が微動している。


「・……ソースが唇についてるよ? 拭いてあげる」


「え、まじで、ティッシュ取って、ん!!!!」


唇の端に付いたソースを舌で味わった。そのまま押し付け、背中に手を回す。


――渡さない。絶対に。忘れさせてみせるから。


「わ、和歌子? ちょ、ちょっと……」
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