ヘビロテ躁鬱女
「ビール飲もうよ」


「……重かった? ごめんね、寄り掛って」


厚い胸板を手の平で押してみたが、力が入っていた。


――私を拒んでる?


……今はいいよ。それでも。


狂子だけじゃなく、誰にも取られたくない……譲れないの。いずれ貴方の全てを手に入れる。


だって私は貴方だけを、ずっと見つめてきたんだから。


あの時から、ずっと……ずっとね。
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