ヘビロテ躁鬱女
 目を閉じ、後は身を流れのままに委ねるだけ。


荒々しい海、激しい波。


強く打ち付けたと思えば、後味を残すように穏やかになる逆波……眩暈を起こしそうになる、押し波の連続だった。


鉄平の激しい吐息。おうとつのある筋肉の感触、滲む汗。


――このまま溺れてしまいたい。


「はぁ、はぁ、はぁ……」
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