ヘビロテ躁鬱女
 ――お父さん……いたんだ。


こんな状況で会たくなかった。体中の痛みの痕、おでこにも痕跡を残している。


――見られたくない。


そっと忍び足で階段を上がり、部屋に戻ろうとした。


「どこへ行く! 朝方まで何をしていた?」


背後から怒鳴り声が浴びせられる。これ以上、足を進ませるわけにはいかなかった。
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