ヘビロテ躁鬱女
 こんな和歌子はもう見たくないと携帯をそっと閉じる。じっくり見ていた瞳が、瞬きを何度も繰り返し驚いている。


「なんでいきなり閉じるの?」


「もういいでしょ。なんでそんなに気にするの? 俺たち、付き合ったばかりだよ? なんか疑っているの?」


そう言うとベットの上に座る和歌子は暗く俯いた。


「……自信がない」


「え?」


明るい和歌子しか見たことがなかったのに、こんな一面があるなんて……。


「貴方が私を好きという、うぬぼれでもいいの……そういうモノが欲しいのよ!!!!」
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