ヘビロテ躁鬱女
「私が? 私に消去させるの? ……鉄平は、なにも分かっていない」


――消してと言うから良いよと言っているのに、なぜまだ絡むんだ? 


もっと明るい奴だと思っていたのに……。


「意味が分からないよ和歌子。俺が掛けたんじゃないし、掛かってきただけだろ? 嫌ならお前が消去すればいいだろう?」


「鉄平……本当に私のこと好――良いよ。もう」


和歌子は親指を勢いで動かし、ピーという電子音が鳴った。


俺の中で消去されたのは、狂子の番号だったんだろうか。それとも……
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