ヘビロテ躁鬱女
鬼女
 時間を気にせずベットの隅で蹲り、たまに起きてはお酒を飲んだり、冷蔵庫にある物を適当に食べていた。


それを終えると、また殻に閉じこもるひよこのようにベットへと潜った。


夜は空っぽのまま、人形のように扱われる。毎日それの繰り返しだった。


――卵のまま殺してくれれば良かったのに。そうすれば生まれてからの苦しみなんて、味合うこともなかったのに……


テレビを見ても、音楽を聴いても、なにも頭に入らない。


心は闇のまま晴れずにいた。
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