ヘビロテ躁鬱女
 久しぶりの家。生まれ育った自宅。


親を少しだけ裏切ったようで変に緊張をしながら、ドアノブに鍵を差し込んだ。クルリと回しドアを開ける。


ある程度の覚悟と逃げ出す準備も、同時に身構えて入り込んだ。


忍び足で二階にそっと上がる。


着替えの洋服と下着をバックに詰め込めば、直ぐに出て行くつもりだった。


ひんやりとした空気の暗がりの部屋で、いつもと同じ日常のように、壁にある電灯のスイッチを手の平で探した。
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