ヘビロテ躁鬱女
「この部屋を荒らしたのは鬼黄泉?」


「そうよ。だっていなくなるんでしょ、ここから。私が二部屋使わせて貰うわよー? 勿体無いし。こっちの部屋は物置にするけどね」


無言でバックに詰め込んだ。早くこの忌々しい家や人間から離れたかった。


「暗いお姉ちゃん。昔からそうよねぇ? 自分だけ不幸を全部背負っているような顔をしちゃってさ、それが気に食わないんだーつーの!」


「なにをするのよ!」


突然横から鬼黄泉に鞄を蹴飛ばされ、折角詰め込んだ衣服は、また絨毯の上に散らばってしまった。
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