ヘビロテ躁鬱女
 ――いつからだっけ…そんな風になってしまったのは。


階段を下りながら過去の思い出を振り返るが、その理由は見つからなかった。


――まあいいや。もう会わないのだから。


パタンと玄関のドアを閉め、鍵を掛けた。


「お父さん、お母さん……鬼黄泉。――バイバイ」


最後に生まれ育った自宅を何分か見つめ、思いを断ち切ったように走り出した。


――結婚。


次に浮かんだその言葉が頭にグルグルと渦を巻き、占領をし始めた。
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