ヘビロテ躁鬱女
「……大丈夫です。ごめんなさい」


声が震え、小さくなった。涙が零れそうに潤んだ。


こんな私を心配してくれる人がまだいたんだ……。それだけで胸が苦しくなった。


どうなっても良いと思う自分。心配してくる人に答えようと思う自分。複雑に交差し、胸を指すような痛みが走った。


「ねぇ。その、おでこの痣はどうしたの?」


「な、何でもありません。これからは、シッカリと頑張りますので――」


慌てて前髪を片手で押さえた。そんなに目立つ痣かな? 気をつけなくっちゃ――。


「何かあったの? 私には言いなさいよ? 店長には何も話していないから、今まで通りに仕事をしなさいよ?」
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