ヘビロテ躁鬱女

　おかしな雰囲気が、こちらにも漂うが今は仕事に集中していたかった。片付ける作業をそのまま続けた。


「鉄平は貴方を忘れたいの……前に私、言ったよね？　放っておいてって。なんで電話を掛けたの？　それって親友として裏切り行為じゃない？」


作業していた手がピクリと一瞬停止する。だが優柔不断のようにまた片付けを始めた。


「あの時、鉄平は私の家に泊まったの。意味分かるよね？　私達上手くいっているの……これ以上邪魔をしないで。

――それに衣舞から聞いたよ。彼氏がいるんでしょう？　輝さん、電話の件は知っているの？」


――知らない。お願い彼には言わないで……もう殴られたくない。