ヘビロテ躁鬱女
 せめて近くにいよう。話し掛けられるチャンスがあるかも知れない……。


――衣舞とは仲良くしたい。


視界に入るように、わざと近づいた。仕事をしながらさり気無く距離を縮める。


何度も嫌な顔をされたが、気にしないように近づいた。それが衣舞の勘に触ったらしく、とうとう私に話し掛けてきた。


「どういうつもり?」


「衣舞の誤解を解きたいだけだよ……彼氏がいたら勿論言うよ。けど、あの時はまだ付き合っているのか分からない状態だったの。ごめんね」


「私はそういうつもりで怒っているんじゃないの」


――え?
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