ヘビロテ躁鬱女
 ――え? 森園さん、今なんて言った? 気のせいだよね……?


「おう。どんどんやらせちゃって!」


新庄さんは少しだけ離れた場所から、そう答えた。


「えっと、ドリンクの方。森園愛子です! 宜しくでぇーす!」


「武藤鉄平です。宜しく! ビール2つだよ~頑張ってね!」


「はい!」


森園愛子は私の顔をチラッと見て、満面の笑みで客に飲み物を運んだ。


「狂子さん、ぼーっとしちゃってどうしたの? 大丈夫?」


「ううん。ありがとう鉄平」


――なんだろう? あの子が私に向けるモノ……嫌な雰囲気を感じたけど、思い過ごしよね――?
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