ヘビロテ躁鬱女
「狂子、ほら乾杯。なにぼんやりしているんだよ」


輝にグラスをぶつけられて、我に返った。


「あ、ごめん。乾杯」


「狂子さん、まだ体調良くないアルネ? 乾杯!」


「お酒控えるアル。乾杯!」


グラスを次々にぶつけてきたのは中国人の王さんや張さんだった。


日本人は殆ど店長の側で囲み、私の目の前は中国の人達が座っていた。


――ずっと休んでいたし。この方が気が楽と思えばいっか……輝、衣舞を家に呼んだらなんて思うんだろう。
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