ヘビロテ躁鬱女
 一通り注文を終え引っ込んだ愛子に、仕事っぷりを見ていたスタッフは一斉に話し掛けた。


「森園さん、凄いじゃーん! 覚えが早い!」


新庄が満足気に言う。俺のおかげだと言わんばかりに。


「前に少しだけ、飲食のアルバイトしてたんですよぉ」


得意げに笑顔で答える愛子。


「私が新人の時なんて、お客様の前に出ただけで物凄い緊張したよーそれに比べたら凄い凄い」


仕事が出来る新人に衣舞も喜んでいる。


「その時と、たまたま同じハンディだっただけですよぉ」


「可愛いし、仕事も早いなんて羨ましい!」


私も微笑み、喜んだ。


「……」
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