ヘビロテ躁鬱女
「なにしているんですか輝さん、狂子はトイレですよ。大人しく座ってて下さい、酔っ払いすぎですよーもう!

後でトイレを見てきてあげますから……席に戻りましょう?」


――衣舞の声!? ……助かったぁ。


「そ、そうか……じゃあ頼むよ……」


ドア前の二つの足音が遠ざかる。


精神的重圧から解放されたように、大きく空気を吸って息を吐いた。


「……二人とも戻ったみたいだね。狂子さんは先に出て――俺は少し間を置いてから出るよ。

それと後でメールをこっそり頂戴。今度は、ばれないように登録するから」
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