ヘビロテ躁鬱女
 ――ドンドンドン!!!! 


「鉄平がいないのよ! そこにいるんじゃないでしょうね!?」


――ここは女子トイレよ? ……そんなはずないじゃない。


グッっと歯を食いしばり、意を決してドアを開いた。


「和歌子……ごめん、私呑み過ぎちゃって……実は吐いてたの」


「嘘!!!!」


和歌子は私の体を押し退け、個室に誰かいないか覗いた。


その顔はとてつもなく険しく、初めて見た表情だった。
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