ヘビロテ躁鬱女
「ほら……いないでしょう? 落ち着いてよ和歌子……」


和歌子の背中は震え、それに耐えるかのようにゆっくりと振り返った。


「鉄平の様子がおかしいの……」


「え?」


突然の告白に驚いた。でもどうすれば良いのか、対処法は素早く思いつかなかった。


「あんたのせいよ。あんたからの電話でそうなったのよ! 絶対にそう……私たち親友よね? 鉄平に手を出さないわよね?」


「急にどうしたの……? 私、そろそろ行くね。吐いたら胃がスッキリしたみたい」


和歌子を素通りし、ドアから出ようとしたが腕を掴まれ足止めされた。しょうがなく私は、和歌子を見据え返した。


「放してくれない?」
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