ヘビロテ躁鬱女
「狂子、トイレ長いよ。早く座った座った」


宴会の席に戻ると、新庄が私を見つけ手招きをしていた。テーブルには2本目のボトルが空いている。


「あ……新庄さん、ごめんなさい。衣舞が呼んでいるんで。また後で来ますね」


淡々と話し余所見をすると、新庄の隣には鉄平が戻り、座っていた。なにも無かったような装いで、焼き鳥を咀嚼している。


心で余裕の笑みを浮かべた。


――今度こそ……私たちは見詰め合えるよね。


「おーい、狂子ぉ~こっちこっちー!」


「もう~すぐ狂子に絡もうとするんだから輝さんは……」


衣舞が困った顔でこちらを見ている。輝は酒癖が悪い……席に早く戻らなきゃ――。
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