ヘビロテ躁鬱女
「どうした衣舞? ごめんね、酔っ払い過ぎて戻しちゃった……もう大丈夫だから」


「それでトイレが長かったんだ? 輝さんに何度言っても信じてくれないから……

ねっ、言ってた通りでしょう? 安心したらお酒もまた進みますね」


輝と衣舞の距離は近くなっていた。


恋人といわれる動線をとっくに超えていた。


「ん、ああ、居るんならいいんだ。呑むぞぉ……」


目を細めたり、指先がおぼつかない。だいぶヤバイ状態のような気がした。


「衣舞、だいぶ酔っ払っているみたいだね……私たちで送ろうか?」


その囁きを聞くと、衣舞は笑顔で「うん」と答えた。
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