ヘビロテ躁鬱女
 忘れなきゃと意識すると、暗く重く心は塞ぎこんでしまうのに、手に入れたいと心を働かせてみると、体中に血が駆け巡り、パワーが漲るようだった。


それが俺の答えなんだ。


諦めることなんて、やっぱり出来ない!!!!


この瞬間、和歌子への別れを決意した。そして、もう一つは謝罪の念だった。


俺たちはもう一度強く見詰め合うと、狂子さんの両手が、俺の体を包み背中を撫でた。


理性が抑えられそうも無かった。和歌子の存在は俺の中で全て消えた。


「好きなんだ狂子さん……ワインで染めた赤い唇も好きだ――」
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