ヘビロテ躁鬱女
 ちらっと鉄平の顔を確かめるように視線を動かした。


鉄平は和歌子の方だけを向いて話している。和歌子の眉間にはシワが寄っていた。


――疑われて詰め寄られているのかな……鉄平と一緒に住めたらなぁ――。


それは急で……虫がよすぎるよね。まずは二人ともちゃんと別れられないと……いや、そもそも本当に鉄平は別れてくれるんだろうか?


そう思うと胸がチクリとし、輝の眠そうな顔色に視線を戻した。


「おう、狂子……お前は沢山呑んでいるのかぁ……一杯食べたかぁ――グゥ」


「あ、駄目だよ、ここで寝たら。運ぶの大変なんだから……」
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