ヘビロテ躁鬱女
輝は私の手を引っ張り、抱き寄せようとした。自宅と店を、酔っ払って混同しているようにも見えた。


「あ、狂子! 私が輝さんの面倒を見るから片付けお願い……ねぇ、私――輝って呼んでもいいよね?」


「ああ……うん、いいんじゃない?」


そう答えると、嬉しそうに衣舞は輝の隣へ座った。


輝と衣舞がもし付き合ったとしたら……私はもう殴られることが無くなるんだろうか? 


それとも衣舞が身代わりの用に暴力を振るわれてしまうんだろうか――。その辺も気がかりだった。


でも衣舞が喜んでいるし……なにも言えないか――。
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