ヘビロテ躁鬱女
「あ……うん。分かった」


私は重くなった全身をまたささえ、リビングに引き摺った。


「階段は少し狭いのね……上れるかな……?」



「大丈夫だよ。私が両手を引っ張るから、衣舞は後ろを支えてくれる?」


手馴れた様子で輝を誘導する。


二人の愛の巣にメスが一匹入り込む。負けたメスは、旅立たなきゃいけないのが自然の摂理。


でも私は……実家に戻るのが怖く、まだ踏ん切りがつかなかった。
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