ヘビロテ躁鬱女
この家の造りは実家に似ていた。軋む階段を上がると、二つドアが現れる。


右が輝と過ごしてきた部屋。左は放置されていた部屋だった。


「だったらいいじゃない。ほら行った行った!」


「分かった。下りてお酒を持ってくる。衣舞たちの分も持ってくるね」


「うん。ありがとう」


起こさないようにドアを閉め、また階段を下りた。


――本当にうまくいくんだろうか?


胸に不安が渦巻いた。
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