ヘビロテ躁鬱女
でも次に思い浮かんだのは鉄平だった。


――メールを入れてしまいたい……。


本当は一緒にいたいのに、和歌子の家に居るなんて想像したくない――!


ワインを飲み、それぞれへの不安な気持ちから目を逸らしたかった。


結局私は、流れていく状況に身を置いているだけで、なにもそれらは変わらなかった。


はぁーと大きな溜め息を吐き、お盆を持ち上げた。


軋む階段を上り始めると、ふと別な軋む音と重なっていることに気づいた。


――ギシッ、ギシッ、ギシッ
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