ヘビロテ躁鬱女
テレビや音楽を聴く、様々な娯楽のないこの部屋は鼓膜を以上に発達させた。


グラスにワインを注いでは飲み干すが、切なげな声は一向に止む気配は無かった。


「なんで衣舞……こんなこと――」


「狂子も承知の上なの……私の気持ちを察してのことなの……あっ……」


「ほっ……本当なのか……?」


聞きたくないのに、集中してしまう。


ポケットから携帯を思わず取り出し、簡単なゲームを選び操作した。


男は、相手が女ならば誰でも良いのだろうか?
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