ヘビロテ躁鬱女
確かに私が戻る頃には、テーブルにはカクテルが二つも用意され、鉄平も普通の顔をして座っていた。


だけど女の勘は、いつもと違うと神経に訴えかけてきた。


「突然大きな声を出さなくてもいいじゃん……びっくりするよ――」


「だって和歌子は、疑うようなことばかりを言うから……俺のことを好きじゃないの?」


確かに好きだ。好きなら信用すればいい。だけど、好意があるからこそ気になる。


どうして……それを分かってくれないの?
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