ヘビロテ躁鬱女
 期待してはいないけど、ハサミでばっさりと繋がりを切られたような感覚だった。


「……私が就職するのはどう? 鉄平は大学を卒業するのが先だもんね」


「ん……? そうだな。就職はした方が良いと思うよ。自分の為だし――この番組面白いな! ほら、見てみ」


――やっぱり鉄平はうわの空。


それでもやっぱり振り向いて欲しかった。


両手を解き、その指先はワイシャツのボタンを上から一つづつ外していった。


お気に入りのフリルの付いた、白いブラウスを脱ぎ捨てると、もう一度鉄平に両手を回した。


「……しようよ」
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