ヘビロテ躁鬱女
 同じ呼吸、同じ温もり、同じ唇、同じ指先。


「ああ……鉄平」


「和歌子って欲しがり……だよね」


いつもと同じはずなのに、重ねていくたびに、どこかひんやりとする……


なんでなの? もっと心を通わせたいのに! 


――でも私はまだ、無邪気な貴方を信じている。


「……好きだよ、鉄平」


見下ろす鉄平を潤んだ瞳で見上げた。二人の甘い時間。長く続くと信じて、体を熱くした。


< 416 / 417 >

この作品をシェア

pagetop