ヘビロテ躁鬱女
 ――横溝輝!? よりにもよって……最悪。


「みんなと一緒に行ったんじゃなかったんですか?」


やむを得ず、横溝と一緒に歩いた。


「行ったんだけど……厨房に忘れ物をしてしまって戻って来たんだ。そしたら、お前がいた」


あまり近寄りたくない。お願いだから、父親みたいな話し方は今はしないでよ?


「俺、お酒が好きだからさぁー飲みたくてウズウズしているんだ!」


非常口の扉を開け、階段を1歩、1歩下りた。


――そうなんだ……ますます父親と似ている。


「お前さぁー今日ちょっと変だよな? 飲みの話になると、いつだって明るいのに暗いぞ。なんか遭った?」
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