ヘビロテ躁鬱女
「遅いよ2人とも! 早く早く! 狂子、お座敷借りられたよ~こっち、こっち!」


「衣舞、分かった!」


下の階の居酒屋には靴箱に1つ、1つ鍵が付いており、温泉宿のロッカーに似ていた。


「靴は閉まっておくから早く行きな。お前だけなんだから、顔をまだ出していないのは」


「そ、そうよね。ありがとう」


なんだか調子が狂うなぁ。もう。


ツルツルした廊下を滑らないように早歩きし、木の扉を横にガラガラっとスライドさせた。


「ごめんー遅くなって! みんな、お待たせ!」


各自の目の前には飲み物が用意され、スタンバイOK状態だった。扉に眼を向けた皆は、瞳が輝き笑顔になった。


「こっちに座って。狂子は衣舞の隣! 良く飲むしトイレが近いから、扉の近くだよね!」
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