ヘビロテ躁鬱女
酒と家
 うちは貧乏だったと思う。大学や専門学校へ通えるお金は高額で、とてもじゃないけど出せないと、両親に言われたから。それに2歳年下の妹、鬼黄泉(きよみ)もいたから……


並みの知能しかない私は、当然将来の道は狭まれた。


高校を卒業した私は将来の夢も特になかったし、比較的時給の高い居酒屋でアルバイトを始めることにした。


これには、ささやかな理由もあった。


未成年だったが、父、『たもつ』の影響もあって、小学生から晩酌に付き合うことが多かった。


父は大の酒好きだったのだ。毎日お酒は手放さないくらいだった。休みの日は朝から夜まで飲んでいた。


真っ赤な顔をして酔っ払っては、悪口を言う父親が大嫌いだったが、いつの間にか、すっかり私もお酒の虜になっていた。
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