ヘビロテ躁鬱女
「情報が早い和歌子さんも知らなかったんですけど!」


「和歌子に言うと広まるからなぁ……新庄だけに、ついつい洩らしちゃったんだ」


和歌子は頭を掻き、首を引っ込めた。


「そうなんですかぁ! 残念ですぅ! 私、スッゴイ店長さんがぁ~タイプだったんですぅ!」


急に大きめな甘い声を出した愛子に、みんなの視線は一気に集中した。


衣舞はいらっとしたのか、目の前のシーザーサラダのレタスを、フォークで刺しては口へ放り込んだ。


「彼氏はいないの? 森園さん?」


苦笑いをした私が、一番知りたい情報を聞いた。


「森園さんじゃなくて、みなさん、あ・い・こって呼んで下さい~」


横で店長がデレデレっと愛子を見つめていた。
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