ヘビロテ躁鬱女
「えー本当にぃ? 全然気づかなかったぁ!」


「俺も隣にいたけど、分からなかった」


「駄目だこりゃ!」


酔っ払いたちは反応が鈍く、話にならなかった。


「それよりさ~守よりも新庄さんの驚いてる顔の方が面白かったけど?」


鉄平は笑いながら言った。


「私も見た見た! 凄い顔をしてたよね!」


――私だけじゃなく、鉄平も目撃してたんだぁ。


「なにそれー、見てない! なんで驚いていたの? 愛子さんの話? あれは衝撃的だったけど」


「和歌子さん、近いけど遠い。

あの話をしている最中、愛子さんがテーブルの下で店長の太ももを擦っているのを見たんだよねぇー!」
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