ヘビロテ躁鬱女
 左の一番手前を見ると、横溝輝がウーロンハイを飲んでいた。


――和歌子は本当に余計なことを!


私は輝があまり好きじゃないことを、誰にも洩らしてはいなかった。和歌子も全然気づかなかったんだろう。


……それにしても嫌だ。


チラッと見ると、見上げた輝と目が合った。すると人の腕を力強く掴み、引っ張った。


――え!?


強引に引寄せられ、隣に座らされた。ここで立つのも変だし、しょうがなく座ることにした。


体が少しでも触れたくない。膝をそろえ、なんだか全身が硬直する。


「お前さ、そこにずっと立っていたらカラオケの画面が見えないだろ?」
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