ヘビロテ躁鬱女
「なあ、試しに俺と付き合ってみない?」


「は!? なにを言っているの? 彼女がいるじゃん」


掴む手に力がこめられた。


「ああ。勿論彼女とは別れないよ」


「言ってる意味が分からない……面倒なのは嫌い――」


それでも手は離れなかった。重い沈黙が流れる。


「免疫力をつけてあげるって、言っているの」


何を言っているのこの人? 長く付き合っている彼女がいるのに。


「私は二股みたいな状況は耐えられないよ。馬鹿馬鹿しい! 新庄さんのほうが変だよ! 降りる」
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