ヘビロテ躁鬱女
「なにって……お前分からないのか! 食器を重ねるな! 汚いだろうが!」


――またやってしまった……。


たもつは神経質なところがあった。酔っ払うと大げさな口調になり、余計に怒鳴り声が怖かった。


「でもこのお皿は、ちゃんと洗った食器だし、重ねても問題無いと思うけど……」


私は遠慮がちに、ボソリと言った。


「狂子はだから駄目なんだ。お母さんが隅々まで丁寧に洗っていると、なぜ分かるんだ?

重ねたら汚いに決まってるだろう! 洗いなおして、一枚づつお盆に載せるんだ!」


父の顔が、だんだんと般若のように見えてくる。


「でもその分、往復しなくちゃいけないし、料理を全部運ぶのに時間が掛かるよ……」
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