ヘビロテ躁鬱女
 胸糞悪い……。


朝目覚めると、水分が蒸発したように喉がひりつき、渇いていた。


なんなの。あの夢……。


浅い眠りはリアリティがあって、本当にあった出来事のようだった。まだみんなの罵声が、鼓膜に残っていた。


冷蔵庫をあけ、ミネラルウォーターを取り出し口を付ける。一刻もこのガラつきを取り除きたかった。


「狂子。あんた、また朝帰り? 本当に御盛んだこと」


母親の口から出る言葉は優しい時と厳しい時、様々だった。


はっきり言って気分屋だった。私の気持ちなんて、いつだって御構い無し。今はそっとして欲しかった。


「鬼黄泉を見習ったら? そんな阿婆擦れみたいなことはしないわよ」
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